大腸がん内視鏡手術治療後、6カ月目の経過観察を受けた体験を公開します。経過観察では、大腸ポリープが見つかり、切除しました。今回の映像の内容は、ブログでも公開しています。
6カ月目の経過観察を受けるまでの経緯
豊島区の大腸がん検診をきっかけに、6カ月前、大腸がんを切除する内視鏡手術治療を体験しました。その際、下行結腸粘膜内がんの診断を受けましたが、内視鏡手術で、がん細胞は取りきれたので、転移はないだろうとドクターから言われました。
それでも、6カ月後の病状変化を把握し、治療することは大腸がん予防のため、とても大切とのことで、経過観察を受けることになりました。
なお、大腸がん内視鏡手術に至った体験は、「大腸がんを早期発見 内視鏡手術も成功!きっかけは 区の大腸がん検診」のYouTubeとブログで確認できます。
経過観察では、成長して大腸がんになる腺腫に注意
大腸ポリープには、大腸がんになる「腫瘍性(しゅようせい)ポリープ」と大腸がんにならない「非腫瘍性ポリープ」の2種類があるそうです。
腫瘍性ポリープは、がんと腺腫に分かれます。腺腫は、成長してがん化する可能性があるポリープで、切除治療が必要だそうです。
非腫瘍性ポリープは、加齢や炎症によるもので、治療を必要としない場合が多いそうです。
6カ月前の内視鏡手術で、がんは取り切れているので、今回の経過観察では、腺腫を中心に診ていくと説明を受けました。そして、今後の大腸がん予防につなげていくとのことでした。
腺腫は大きくなるほど、がん化の可能性が上がる
出来立ての小さい腺腫は「良性のできもの」です。けれども、小さい腺腫が徐々に大きくなるにつれて、腺腫内にがん細胞が発生し、大腸がんに成長していくそうです。大腸がんのほとんどが、腺腫が大きく成長してできたものだと教えてもらいました。
腺腫が大腸がんになるには、数年を要するそうなので、焦って治療する必要はないそうです。けれども、「高齢者のがん進行は遅いから」とか、理由をつけて、治療を先延ばしにするのは避けるべきとアドバイスをもらいました。年齢に関係なく早期発見・早期治療によるがん予防が望ましいそうです。
ちなみに、腺腫は大きくなるほど、がん細胞が含まれる確率が大きくなることは数字で把握できているそうです。
腺腫にがん細胞が含まれる確率を担がん率(たんがんりつ)と呼ぶそうですが、腺腫の大きさが10mmを超えると、担がん率が一気に上昇するそうです。
そのため、腺腫が小さい時期に発見・切除することが、大腸がん予防に直結するので、経過観察はとても重要との説明を受けました。
腺腫の大きさ | 担がん率 |
---|---|
径 ~5mm | 約0.5% |
径 5~10mm | 約5% |
径 10~20mm | 約20% |
径 20~30mm | 約25% |
径 30mm以上 | 約30% |
経過観察の事前準備
6カ月目の経過観察は、大腸内視鏡検査で行うとドクターから説明を受けました。そして、ポリープが見つかった場合には、大腸がん予防のため、検査中にポリープを切除することもあるとのことでした。
また、経過観察では、3つの事項を確認するとの説明も受けました。
- 6カ月前の手術治療で、発見できなかったポリープの有無
- 6カ月前の手術治療後、新たに成長したポリープの有無とその成長スピード
- 6カ月前の手術治療で、大腸がんを切除した箇所の回復状況
検査前日
大腸内視鏡検査は、大腸の中をきれいに洗浄してから行うため、検査前日から準備が必要でした。
検査前日は、消化の良い朝食・昼食・間食・夕食のセット「エニマクリン」だけを食べて過ごし、夜、大腸検査前処置用下剤を服用しました。そして、検査が終わるまで、絶食しました。
検査当日(大腸内の洗浄)
検査当日の朝は、水だけで過ごし、腸内洗浄剤2リットルを時間をかけて飲みました。
腸内洗浄剤は、便が「水様便」になるまで、下痢を誘発します。便が「水様便」になれば、検査準備完了です。
病院へ移動
大腸内の洗浄完了後、病院に向かいました。
病院に着くと、検査着に着替え、腸の動きをおさえる筋肉注射を点滴後、車いすで検査室に向かいました。ちなみに、検査着のパンツは、穴がある方がお尻側です。
大腸内視鏡検査
検査台で、左側を下にして横になり、麻酔薬点滴後、大腸内視鏡検査を開始しました。私の場合、麻酔があまり効かなかったのか?検査の一部始終をモニターで確認できました。
横行結腸とS状結腸で、ポリープが見つかり、その場で切除し、クリップで止血しました。クリップは、1週間程で便と一緒に排出されるそうです。
直腸でもポリープが見つかりましたが、明らかに、がん化しない過形成性ポリープでとても小さいので、切除しませんでした。
6カ月前の内視鏡手術治療で、大腸がんを切除した下行結腸の箇所は、奇麗に治っていました。大腸がんの取り残し(遺残)もありませんでした。
切除方法は、コールドポリペクトミー(CSP)でした。CSPは、スネアと呼ばれるワイヤーでポリープの根元を絞めて、物理的にポリープを切除する方法です。
CSPは、電流を流さないので、体への負担が少なく、治癒も早いそうです。がんの可能性がない9mm以下のポリープに用いるそうです。
切除した横行結腸とS状結腸のポリープは、病理検査を行い、確定診断することになりました。確定診断の結果で、今後の経過観察の方針を決めるとの話がありました。
大腸ポリープ切除後の注意
大腸ポリープを切除した箇所は、やけど状態になっているそうです。大腸に、かさぶたがある状態と理解してくださいと言われました。傷が完全に治るには、2週間から1カ月くらいかかるそうです。そのため、生活するうえでの注意をまとめた資料をもらいました。
- 1週間、重い荷物を持ったり、運動するなど、お腹に力を入れることを避けること
- 1週間、入浴は10~15分くらいにすること
- 1週間、旅行や遠出を控えること
- 1週間、辛いものや刺激物は食べないこと
- 1週間、禁酒・禁煙
- 腹痛・嘔吐・動悸・大量の赤や黒の便が出た時は、病院に連絡すること
病理検査の結果
1週間後、大腸内視鏡検査で切除したポリープの顕微鏡検査の結果を聞きに病院を訪れました。
横行結腸のポリープは、過形成性ポリープだったので、心配ないとのことでした。過形成性ポリープは、大腸がんにならない「非腫瘍性ポリープ」です。
S状結腸のポリープは、大腸がんの芽と呼ばれる腺腫でしたが、腺腫内・切断面ともに、がん細胞が無かったので、心配ないとのことでした。
大腸がんの90パーセントが、腺腫を放置した結果とのことです。そのため、がん化する前に腺腫を切除してしまえば、ほとんどの大腸がんは予防できると教えてもらいました。私は、何と運が良いのだろう!と感謝しました。
6カ月前の内視鏡手術治療では、しばらくして生命保険を見直そうとした際に、私の生命保険に手術特約が付いていることが判明しました。今回は、事前に保険会社指定の診断書を用意し、ドクターに書いてもらいました。
今後の治療方針
次回の経過観察は、1年後に大腸内視鏡検査で行うとの説明を受けました。「ポリープの成長スピードが速いので、今後も気を付けて診ていきましょう!」と言われました。また、公開予定です。